有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者からの離婚請求・1

有責配偶者からの離婚請求とは?

一言で言うと「民法で定める5つの離婚原因を作った側から離婚を請求すること」です。たとえ有責配偶者からの離婚請求でも、相手側が話し合いに応じ、協議離婚として離婚成立するのであれば全く問題ありません。

たとえば、妻から突然「不倫相手と一緒になりたいから離婚してほしい」と言われた場合、簡単に納得できますか? 普通なら「冗談じゃない!」と、離婚など絶対にしないと思います。それでも妻がどうしても離婚したいと言い張り、裁判所に申し立てた場合、離婚原因が明らかな妻側の離婚請求は棄却となります。裁判しても離婚成立となることはありません。そうです、これまでは有責配偶者からの訴訟はどのような理由であれ棄却されるのが当たり前でした。

しかし、それは昔の話です。昭和62年11月22日の判例をみてみると、有責配偶者からの離婚請求が認められる結果が出ております。前例ができてしまった以上、現在は有責配偶者からの離婚請求を笑い言として見過ごすことができないようになりました。 そこで、有責配偶者からの離婚請求について知識を身につけ、いざというときのための対処ができるよう有責配偶者からの離婚請求について紹介していきます。

有責配偶者からの離婚請求の認容要件について

婚姻が破綻している場合において、戸籍上の結婚生活を続けさせることは不自然であるとしながら、一方で離婚は「社会的または法的秩序としての結婚を拒絶するものであり、離婚請求は、正義・公平の観念、社会的倫理観に反するものであり、あってはならないことは当然で……信義誠実の原則に照らしても容認されうるもの」でなけらばならないとしています。難しく述べていますが「仮面夫婦もいいとこじゃん、でも離婚はよくないよ、正義的に」という感じです。

3つのポイント−有責配偶者からの離婚請求認容の要件ないしは考慮要因

  1. 別居している期間が当事者同士の年齢や同居していた期間と比較し、相当の長期間となっていること。
  2. 未成熟のお子様がいないこと。
  3. 夫婦のどちらかが離婚することにより精神的・社会的・経済的に大変厳しい状態になるなど離婚請求を認めることが、著しく社会正義に反するような特殊の事情が認められないこと。

夫側が有責配偶者であった場合

夫婦どちらも70歳を超える高齢であり、同居していた期間が13年に対して別居期間が36年で、不貞相手の子供を養子に迎えているものの既に成人であり、妻へ十数年前に建物を譲渡していたとします。

この場合、差戻審において1と2の要件を満たすとし離婚を認めましたが、3の要件については不十分であると判断され、財産分与や慰謝料にて解決されるべきもとし、離婚した後の生活費として、財産分与で1,000万円、慰謝料で1,500万円の支払いを夫に命じ、離婚成立しました。

結婚生活の破綻について

有責配偶者の離婚請求が信義則に反しているかどうかを審理する前に、結婚生活が破綻しているかが、最低条件となります。

たとえば、夫が不貞相手と同居し、妻とは20年近く別居しているため、文章だけでは結婚生活が破綻しているように見えるのですが、実は夫は月に数度は帰宅して、妻の世話を受けていたことから、裁判所では「夫婦関係は、大きな問題を含んでいるが、それなりに安定した関係が長期間継続していた」として、請求を棄却しました。離婚不成立です。

一方で26年の別居生活中に23年は妻の家へ月に数度帰宅して世話を受けていた夫の場合においては、結婚生活が破綻していると認定され、離婚成立した判例があります。

これらののように、別居期間は相当であるとしても、妻の世話を定期的に受けている場合は、結婚生活の破綻として認定されなかったり、認定されたりなど微妙なところとなります。

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