さまざまなケースの離婚話を5つ紹介

離婚原因がはっきりしない離婚の解説

離婚動機のNo.1「性格の不一致」

民法では、夫婦どちらかが一方的に離婚を言い渡せるケースとして、相手の浮気、失踪(蒸発)、悪意の遺棄、回復の困難な重い精神病、ほか結婚生活を継続できないなんらかの原因がある場合、といった5つの離婚原因を設定しています。

離婚に至るまでにはそれなりの動機があるのが自然です。実は離婚動機のトップとして「性格の不一致」があげられるのです。そして、相手の浮気が続き、夫婦間の会話がない、相手側の親戚とうまがあわない、子供関係などとなっています。こと「性格の不一致」に関しては男女ともに一位を占めており、離婚調停を申し入れた夫婦において夫の約6割もが離婚動機として「性格の不一致」をあげています。妻は約4割であり、こちらも高い割合となっています。
※備考として性格の不一致以外の離婚動機で多いもの順にあげると、夫側は「浮気」「妻が両親や親戚とうまがあわない」「浪費」「異常性格」「精神的虐待」「性的不満」「妻が同居してくれない」といった順となります。

妻側は「夫の暴力」「浮気」「精神的虐待」「生活費を入れない」「浪費」「家庭を大切にしない」「夫が両親や親戚とうまがあわない」「酒飲み」といった順になります。

「性格の不一致」は便利な魔法の言葉

離婚したい側は「性格の不一致」という言葉がいかに便利で適切な表現であるかわかっています。お互い愛し合っているからといっても、所詮は赤の他人同士が一緒に暮らすと言うことです。生まれも育ちも違う環境で生活してきたもの同士が同居するのですが、時間が経過すれば不満の一つや二つくらい出て当然です。

しかし、性格も趣味も全く違うのに、結婚生活を十数年も続けているカップルもいることも確かです。このことを考慮すると、性格の不一致という理由だけでは離婚の動機となることはないのではないでしょうか。しかし、現実では、性格の不一致ということで離婚するカップルは後を絶ちません。

恋愛しているときは相手のちょっと気になる仕草も魅力的に感じていたものが、結婚して寝食ともに過ごしていくと、嫌悪感を抱くことも珍しいことではありません。いつしか愛情も冷めてしまうと、相手の顔を見るだけでイライラすることもあるでしょう。

今回の事例のように、具体的な理由がないけれど離婚したいという人もなかにはいます。このような人たちは、決まって「性格の不一致」を離婚動機として口にします。性格の不一致には離婚原因に該当するものから、身勝手ととれるものまで広い範囲にわたり受け取られるものとされています。

「性格の不一致」で離婚を言い渡すことはできるのか?

離婚は夫婦に合意があれば理由がなくとも行うことができます。これを協議離婚と呼びます。日本では約9割の離婚夫婦が行う離婚の方法です。しかし、夫婦のどちらかが離婚に応じない場合に限り、調停となり、最終的には離婚訴訟へともつれることがあります。さて、離婚訴訟において「性格の不一致」という離婚原因で裁判所を認めさせることができるのでしょうか?

先述したとおり性格の不一致が離婚動機の大半を占めているのですが、民法が定める5つの離婚原因のいずれかに当てはまるかというと、難しいと言わざるを得ません。一概には「性格の不一致」だけでは認められることはないでしょう。夫婦の年齢、職業、性格、生い立ち、結婚に至った経緯、などを熟慮し判断します。

とくに決め手となる離婚原因がなく、ただ性格の不一致が大きな割合を占めているということに着眼した場合、夫婦間にどうしても修復することのできない亀裂が見て取れて、両者の今後の結婚生活が大変難しいであろう理由があると感じた場合に裁判所が離婚を認めることもあります(東京高裁・昭和54年6月21日判決)。

しかしこの判例については例外と言っても過言ではありません。性格の不一致という理由だけでは離婚訴訟に勝つことはできないといってよいでしょう。もし、性格の不一致以外に、明確な離婚原因(DVや浮気など)があるのであれば、裁判所は離婚を認めると思います。

秀樹さんと雅美さんのケース

雅美さんが「性格の不一致」で秀樹さんと離婚訴訟を争うことになったとしても雅美さんが勝つと言うことは難しいでしょう。秀樹さんの言動にいささか問題があったとしても、夫婦間のさまざまな事情を考えてみると、雅美さんに非があることが明らかです。秀樹さんは雅美さんに優しい言葉をかけたり、バイトを雇うなどの努力を行い、夫婦生活の修復を行うのがベストかと思います。

離婚相談Case.05のまとめ

  • 自分のところ(妻)は大丈夫だと思っていても実は……。
  • 離婚原因として「性格の不一致」だけでは離婚を認めることは困難である。

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